消化酵素のサプリメントって実際に効果があるのでしょうか?
<補足について>
例示の商品はほとんど摂取に意味がありません。確かにアメリカで、こういう商品は売られていますが、似非科学に洗脳された無知な消費者しか購入していないのが現状です。アメリカはサプリ大国と日本では報道されています。確かに、OTC の医薬品コーナーの隣のサプリコーナーには、ビタミンを中心として、ハゲ防止とか、肥満解消などの楽しい商品がたくさん並んでいます。ただ、売れているのはほとんどがビタミン類で、その他の商品を購入するのは、上に書いたような消費者です。感覚的には、アメリカよりも日本の方が意味の無いサプリに関していは大国という印象です(事実、テレビをご覧になったり、新聞をご覧になればお分かりのように、○○サミン、とか○○シアニンとか、どうでもいいものが、隅っこに「個人の感想です」とか付記されてぼろ儲け状態です)。
さて、消化酵素は胃で分解されるものは何の意味も無いです。本来作用する場所まで酵素活性をたもったまま運ばれるなら、酵素活性を示しますので意味があるでしょう。しかし、経口摂取でそのような事が起こるとすると、そうとう DDS を考えた剤形になっていなければ無理です。ただ単にタンパク質を微量摂取しているだけという事です。例示の上の商品はまさにそうです。リパーゼなんか脂肪を分解する前に胃でぶっ壊れ、腸に到達したときは活性の無い短鎖ペプチドでしかないでしょう。下の商品は実際に何が含まれているかわかりませんでしたが、同じ事です。消化酵素を経口摂取しても、活性とは別問題ですので、ペプチドを飲んでるのと同じで意味などありません。
それから、害になると言ったのはサプリ全般で、消化酵素の事ではありません。消化酵素の摂取は微量にタンパク質を摂取しているのと同じですから、食事の量が1、2g増えた程度でしかないので、何の影響も無いでしょう。それよりも、低分子のサプリが害になる可能性は大いにあります。実際、つい最近も高濃度カテキ●の肝障害が大きな問題になっています(一般の方には大々的にはアナウンスが無いようですが、JTさんはその CM を引き下げているようで、最近目にしません)。こういう、害が出た時に一般にアナウンスが無く、売れるときは売りまくる姿勢が問題なのです(特定健康補助食品とか、なんとか、お墨付き風の認可を出す厚労省にも問題があるかと思います)。ほか、カルニチンとかビタミンAとか、過剰摂取で非常に大きな副作用や本来の医薬品との相互作用が出るサプリはわかっているだけで何種類もあります。
ビタミン・ミネラルと消化酵素は物質としては直接は関係しません。もちろん、機能する時に相互作用をしていたり、双方の合成/代謝にお互いが作用を示すものはたくさんありますが、一概に「ビタミン・ミネラルなどサプリメントで摂取していた場合、消化酵素の必要性は減る」という法則性はありません。なんというビタミン・ミネラルと、何という消化酵素の必要性か?で、個別に違います。
うちの学生には、医薬品のみならず、サプリは摂取していないか、何を食べているかまで、きちんと聞くように指導しています。さもなければ、自分が処方した医薬品の挙動に影響を及ぼす、不必要なサプリが日本にはあふれすぎているからです。サプリに効果がないのは健康には影響が無いので問題ないのでしょうが(ただの金の無駄)、本来の治療のための医薬品に影響があっては大問題です。
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サプリは医薬品ではないので、効果/効能を唱ってはいけません。
当然、効果/効能ははっきりとは保証されていません。
しかしながら健康補助になる場合もあります。一方で、多量摂取は害がある事もあります。
それらは、物質特性により、摂取濃度により、半減期により、摂取方法により、摂取間隔により、体質により変わります。物質側の特性と、個人(摂取する側)のADME により大きくわかります。
具体的に何についてお尋ねなのでしょう?
物質名と、摂取法や摂取量なども含めて補足していただければ『たぶん意味が無い』または『全く意味がない』ことを具体的にお答えできます。
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