鮎にはどんな栄養がありますか?
<鮎は栄養価の高い魚?>
その「鮎」の栄養面からみた本質に迫ってみた。女子栄養大学教授で水産学博士の國崎直道氏は開口一番「鮎の栄養価は高い」と断言する。「良質のタンパク質を含み、また、適度の脂質も含むため、川魚にしてはコクがある。ビタミン・無機質も多量に含んでいる」と概括する。
<身質は天然と変わらない!?>
箇々の栄養素について、タンパク質は「100g中18g。煮ても焼いても変化せず、一尾を食べるだけで成人の一日の必要量の四分の一を摂取可能。人体構成に必要な必須アノミ酸の含有量も理想的」と説明。脂質は「天然よりも養殖の方が多く、約三倍近い量を含む」とした上で、「脂質が多いからといってふつうの養殖魚のように筋肉質までが柔らかくなることがない。鮎の脂質は独特の構成となっているためでその身質は殆ど天然鮎と変わりません。ただ、香りだけは天然に負けてしまいますが」と、天然に負けないその身質を強調する。更に「その構成成分である脂肪酸の中には、近年注目されているn-3系列のEPAやDHAを含んでいる。天然鮎は合計で330㎎、養殖鮎は約800mgコレステロールの低下作用や血液凝固抑制作用、脳機能賦活作用など生活習慣病の予防効果も期待される」と、鮎の効能について強調する。
<バランスのとれたビタミン群!!>
ビタミン類について「皮膚や粘膜を丈夫にし、視力の維持や向上に必要なビタミンAは不足すると風邪を引きやすくなったり夜盲症になる。近年抗癌作用を持つことでも知られる。その一尾換算時の摂取量は成人一人当りの必要量に対し、天然で20%、養殖で80%となっている」。更に「カルシウムの吸収促進で知られるビタミンDの一尾換算時の摂取量は成人一日の必要量に対し、天然で50%、養殖で300~700%」「タンパク質合成、DNA合成そしてアミノ酸代謝に欠かせないビタミンB12は欠乏すると悪性貧血や神経疾患に悪影響を与える。その一尾換算時の摂取量は天然で500%、養殖で100%となっている」とそれぞれを説明した。
また、ビタミンEについて「抗酸化作用や活性酸素消去作用が期待されており、摂取すると老化スピードが遅くなり、若さを保つことができるなど、細胞を生き生きさせる効果がある」、ビタミンB1B2について「日常摂取している炭水化物や脂質の代謝をスムーズに働かせる効果がある。毎日摂取しなければならず、不足すると皮膚炎や神経の炎症を引き起こす。鮎にもこれが十分含まれている」と述べると共に、「これ以外のビタミンも他の魚と同様含まれており、バランスの採れた摂取が期待出来る魚」と評した。
<カルシウムはマイワシの三倍の摂取量に!!>
無機質の栄養分について「ナトリウム含量が少なく、ナトリウムを排泄し高血圧の予防効果のカリウムが多い」と説明。他の無機質栄養分について「鮎は骨ごと食べることが多く、カルシウムの摂取量もマイワシの300%と高い」「生体内でカルシウムと結合し骨格等の硬組織を形成するために必要なリンの一尾換算時の摂取旦里は成人一日当たりの必要量に対し30~50%」「赤血球のヘモグロビン、筋肉のミオグロビンの構成成分で、不足すると貧血を起こす鉄分は焼き上げの鮎一尾換算時で成人一日当たりの
必要量の20~50%」と説明した。また、亜鉛について「インスリンの構成成分で血唐値を正常にする働きがある」、タウリンについて「肝臓強化作用、疲労回復効果、コレステロール低下作用、視力向上作用等様々な整理作用を持つ」、アンセリンは「体内での活性酸素消去作用やビタミンB12の安定化作用が期待される」とそれぞれ説明した。
<骨ごと食べられ学校給食にも最適!?>
國崎教授は、鮎の様々な料理の中で「甘露煮」「南蛮漬L「天婦羅」について「骨ごと食べられることもあり、カルシウムの重要な供給源といえる」と語る。「鮎の小骨は他の魚のそれに比べて大きくないので、子供でも食べやすい。学校給食にも是非使ってほしいメニュー」と評価する。
【鮎の栄養価 http://www.nishii-yougyojou.net/eiyou.htm】
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